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趙雲殿の処へ行こうとしていたのだが、何故か三成殿に抱えられたまま魏国曹丕殿の居城に居る。
どうしよう…お館様から趙雲殿と劉備殿に
『かっこいいワシからのおみやも持って行くといいよ』
確か信玄餅だったはず…生ものだから早めに召し上がって頂かないと。
しかし、何時ぞやも劉備殿は
『このように高価なもの…勿体無くて、皆と分け合おう』
しかし、皆さん中々食して頂けずに結局腐ってしまったという悲しい事があった。なんでも勿体無くて中々口に出来ないのでついつい大事にし過ぎた為らしい。
…蜀の方々は食べ物を大事にされる。あぁ、食べ物だけでなく、衣類や色々な物を。清貧を掲げる素晴らしい国だ。趙雲殿が愛して止まない気持ちが判る気がする。
『どうした?幸村。ぼんやりしているな』
はっ
『み三成殿』
今私は三成殿の膝の上に乗せて頂き曹魏親子との謁見に挑んでいるのだった。
『で?その小さいのが、例の武田の猛将真田の次男と言う訳か。』
…恐ろしい威圧感だ。あの織田本陣に居た信長を思い出す。ただ若干身丈は小さいか。
『…幸村、父の前では「小さい」は禁句だ。』
ですから曹丕殿、何故私の思っている事が判るのですか。あ、曹操殿がぷるぷるしている。
『…泣くな、孟徳』
傍に控えている夏侯惇殿がなだめてくれてる。
うぅ、申し訳有りません。
『案ずるな、幸村。お前も小さい、だが、それもオレ好みだ』
ひょいと持ち上げると三成殿は私の頬にすりすりとお顔をつけてささやいてくれたが、ただでさえ麗しいお顔だというのにこんなに近付いてしまって、三成殿の香の香りに包まれてしまって私の頭の中は真っ白になってしまう。
『幸村はお前の為に小さくなったのではない、三成』
『フン、嫉妬か?まぁ羨むといい』
『相変わらず、脳味噌崩壊状態だな』
なんだか、また三成殿と曹丕殿が楽しく会話をされてます。
『違うぞ、幸村』
『そうだ、楽しくしたいのは、お前とだけだ幸村』
『~っ、があ~っ!!!(怒)貴様等、黙れ!!(殺)』
夏侯惇殿が頭を掻き毟りながらお二人に叫んだ。曹操殿も復活された様で手摺に肘を附き足を組み替えながら、私に話し掛けて来た。
『時に、真田幸村よ』
『…は』
三成殿が離して下さらない為、三成殿の膝の上に座ったままの状態なので最敬礼は出来ない。だがいい加減な対応をしてしまっては武田の威信に関わる。私は曹操殿のお顔をしっかと見据えた。
『…』
『…』
『……』
『……』
『………』
『………』
『…ふ、良い眼だ』
『?』
『よし、今日から魏将として『孟徳っ!!!!!!』
『む、何故だ』
『貴様、男も女も見境無く声を掛けるなと何時も言っておるだろ(怒)』
『真田の事は劉備からも聞いておる。あの趙雲と並ぶ猛将だぞ。それにいい眼だ』
な、何の話しなんだ?なんだか訳が判らない。戦場ならば幾許か機転は利かす事が出来るがこのような群議の中で有ると、どうも上手な言葉が出てこない。
『お言葉ですが』
そんな中、凛としたお声が私の頭上から。
『真田幸村は二心を持つ様な不毛な心の者では御座いません。』
『…確かに…父よ。あの趙雲と同じ武将。勝ち目は無いでしょう。』
『…む』
良くは判らないが、三成殿は無知な私に助言をしてくださった様だ。有難う御座います、三成殿。
『それに、幸村はこの石田三成に全てを渡しています。斯様な申し出はお受けし兼ねます。』
あれ?
『おい、三成』
『なんだ、曹丕』
『貴様、またどさくさに紛れて固有発言したな』
『なんだ、羨ましいのか、だが、やらんぞ』
『黙れ、干からび脳味噌』
また仲良しなお二人の会話が。奇妙な友情にどきどきしちゃいなYO★幸村様♪
びーえるなる薄い書物をしきりに勧めていたな…
奇妙な友情…
『それは違うぞ』
『そうだ、友情以上にオレはお前となるのだからな、幸村』
『また妄想癖が始まったな』
『羨ましいだろう。だが、やらん』
『貴様のモノではなかろう』
ひょい
あ
『何をする(怒)幸村を返せ!!!!!』
三成殿の隙を附いて 夏侯惇殿が私を三成殿の膝の上から移動してくれた。
いや、これは移動と言うか、猫の子を持ち上げているような、私の襟首の衣服を摘んでいるし。
『お前等、黙らんか(怒)…真田』
三成殿と曹丕殿を睨み附けて、其のままの表情で私に話しかける夏侯惇殿。
さすが歴戦の猛将。だが私も武士。この身小さくなろうと恐れはしない。
『は』
『謁見は良い。此のまま貴様が居ると孟徳処か、子桓達迄惑わされる。』
は?
『貴様は趙雲の処へいくのであろう。オレが境迄案内してやる』
のっしのっしと音がするような足音を響かせながら夏侯惇殿は話を続けているが背後で曹操殿の悲しそうな声と三成殿の怒鳴り声と曹丕殿の負の気を感じた。
三成殿、ごめんなさい。お別れの言葉も言えない状況の様です。後で文を出してみよう。
何時も仕方が無い奴だと微笑みながら許してくださる貴方に甘えてる気がする。でもきちんとお詫びをしないと。
愛馬の薄墨も待機していて夏侯惇殿は其の背に私を乗せてくれたが、先程の横暴な動作とは違い、そっと乗せてくれた。此の方は粗暴なれど心根は優しい方なのかもしれない。
『…えっと、有難う御座いました』
『ふん、早く行け。貴様の主も待っているだろう』
え?
もしかして此の信玄餅の事知っていたのだろうか。
だとしたら此の方は三成殿と同じく不器用な方なのかも知れない。
境を抜けて蜀の国へ向かう私の背後には高度な建物が並ぶ魏の国、此の混沌とした世界は有り得ない事が現実に起こり、
出会う事が無い人物達を出会わせる奇跡の世界。
此れが現実か夢かは良くは判らないが、今私がこうして居るというのならば、この世界生き抜いてみせる。
其れにしてもどうして小さいままなのだろうか。
【終】
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其れはね「無双」だからだよ。
なんか意味不明な事は全て「無双」だからSA★で済むって無双ってすごいなぁ(爆)